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日経平均株価の大暴落と円高について

日経平均株価が一日で4,000円以上下がりました。これは歴史的な大暴落で、下落率も10%を超えています。7月11日には4万2,200円だった株価が、3万1,500円まで下がり、約3週間で11,000円も下落しています。 

NISAを利用して投資を始めたばかりの方にとって、この急落は初めてのことだと思います。この状況では、パニックにならないように冷静に対処することが大切です。 

【急落の理由と解説】

①ドル高円安のトレンド終了:政府と日銀が1ドル=160円を防衛ラインに為替介入を行ったことで、ドル安円高が進みました。これによりキャリートレード(円を借りて他の通貨に投資する手法)が巻き戻され、株に売り圧力がかかっています。

→ドルの価値が高くなると(ドル高)、円の価値は下がります(円安)。このバランスが崩れ、ドル安円高に変わると、外国に投資している日本の投資家は円に戻すため、株を売る動きが強まります。また金利の円を借りて高金利の通貨で投資していた資金が、円高によって元に戻されていることが株価下落の一因です。

②日銀の利上げ:日銀が予想外に金利を引き上げたことが、円高をさらに進める要因となっています。

→日銀が金利を上げると、日本円の価値が高まり、円で投資するよりも現金として保有したい投資家が増えます。

③半導体株の減速:株式市場を牽引してきた半導体関連株(AI関連)が減速し始めたことも要因です。

成長期待が高かった半導体やAI関連企業の成長速度が鈍化すると、株価に悪影響を及ぼします。

④アメリカ経済の悪化懸念:アメリカの経済指標が悪化し、景気後退(リセッション)の懸念が高まっています。

→アメリカでの景気後退の兆しが世界中の投資家に不安を与え、リスク回避の動きが強まっています。 

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